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会社設立の流れ

定款の作成・絶対的記載事項の決定

絶対的記載事項とは、法律の規定により定款に必ず記載しなければならず、記載漏れ又は法令違反の記載内容があった場合、公証人役場で認証が受けられず、定款自体が無効となる事項のことで、次の6つがあります。

1. 目的

会社の目的とは、会社の事業内容のことです。会社は、定款に定める目的の範囲内でしか事業を行うことができないので、将来予定している事業も含め具体的な業種を箇条書きにし、前条各号に附帯する一切の事業を加えて記載するのが一般的です。
適法性・営利性・明確性・具体性などを考慮して検討して下さい。

2. 商号

会社の正式名称である商号を決定します。商号選定自由の原則により、商号は、原則として会社を設立する者において自由に決定することが可能です。ただし、下記の制限があります。
一つの会社は一つの商号しか使用することはできません。また、同一商号・同一住所の会社は目的が異なる場合でも設立できません。
不正競争防止法により、有名企業の商号等と同一商号を使用することは、誤認混同される可能性がありますので禁止されています。
商号には、○○株式会社、株式会社○○のように、株式会社・合同会社・合資会社・合同会社といった会社の種類を示す文字を使用しなければなりません。

3. 本店所在地

全ての会社は、日本国内の1ヶ所に必ず本店所在地を決めて定款に記載する必要があります。定款おける本店所在地の記載は、最小行政区画である市町村と特別区まででよいとされていますが、登記上は○○丁目○○番地まで記載が必要です。

4. 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額

会社設立時に発起人から出資される財産の価額又はその最低額を記載する必要があります。発起人が出資の一部を履行しなかった場合に備え、最低額を記載しておくと良いでしょう。
会社法施行により、最低資本金制度が撤廃されましたので、現在は資本金1円から認められます。ただし、資本金は事業の元手であり、実際には使えばなくなってしまいますので1円は現実的とは言えません。会社設立費用及び開業時に最低限度必要な資産の購入と収益が得られるまでの運転資金を見積もった金額が適正な資本金の額となります。また、金融機関や取引先は会社の財務諸表の純資産の部が大きいほどその会社を信用します。資本金は登記事項として公開されると共に会社の財務諸表の純資産の部に計上されますので、資本金は大きいほど良いということは会社法施行前と変わりません。

5. 発起人の氏名又は名称と住所

発起人とは、会社設立時に定款に署名した者をいいます。発起人の住所は、市町村が発行する印鑑証明書と一致しなければなりません。発起人が法人である場合には、その法人の登記上の本店所在地と一致しなければなりません。

 

 

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定款の作成・相対的記載事項の決定

相対的記載事項とは、それ自体記載がなくても法律上定款は有効であるが、定款に記載することにより、その記載事項が法律上効力を有する事項をいいます。

1. 発行可能株式総数

発行可能株式総数は、定款作成時に定める必要な無いので、会社設立の登記申請までに定款に定めればよいことになっています。発行可能株式総数とは、会社が将来的に発行することができる株式の総数のことです。
会社法第37条3項の規定により、公開会社の場合、設立時発行株式の総数が発行可能株式総数の4分の1を下回ることはできません。非公開会社の場合はこの制限がありません。
また会社法第113条3項の規定により、公開会社の場合において、定款に定めた発行可能株式総数を増加させるときは、発行済株式総数の4倍が限度となります。非公開会社の場合はこの制限がありません。

2. 機関設計

株式会社においては、株主総会と取締役は絶対に設置しなければなりません。株主総会及び取締役以外の機関の定めは定款の相対的記載事項であり、登記事項でもあります。また、取締役会を設置する場合には、3人以上の取締役を選任したうえで代表取締役を選任しなければなりません。非公開会社は、取締役を株主に限定することが可能です。

3. 株式の譲渡制限

株式の譲渡制限を付した場合、会社の承認のない株式の譲渡は、会社に対抗できません。また、譲渡の承認機関についても、例えば株主総会、代表取締役、取締役会等と定めておく必要があります。

4. 株券の発行

会社法では、株券不発行会社が原則となっています、会社法施行前は株券発行会社が原則でした。株券の紛失等の危険を考えれば、特別の理由がない限り、株券不発行会社にするのが良いでしょう。

5. 取締役の任期

取締役の任期は原則2年です。ただし、株式譲渡制限会社では、定款の規定により取締役の任期を最大10年まで延長することが可能です。任期を長くすればそれだけ取締役選任の登記費用を節約できますが、任期途中で取締役としての適性に問題が生じた場合、任期満了まで期間があることが逆に会社にとって障害となる可能性がありますので、任期を長くする際には注意して下さい。

6. 監査役の任期

監査役の任期は原則4年です。ただし、株式譲渡制限会社では、定款の規定により監査役の任期を最大10年まで延長することが可能です。任期を長くすればそれだけ監査役選任の登記費用を節約できますが、任期途中で監査役としての適性に問題が生じた場合、任期満了まで期間があることが逆に会社にとって障害となる可能性がありますので、任期を長くする際には注意して下さい。

 

 

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定款の作成・任意的記載事項の決定

任意的記載事項とは、定款への記載は効力要件ではないが、定款に記載されることで、変更に厳格な手続きを要するという点で強力な効果を持つようになる事項をいいます。任意的記載事項の主なものは次の通りです。

1. 株主名簿の基準日

通常は、決算日が基準日となります。

2. 定時株主総会の招集時期

定時株主総会は決算日から3ヶ月以内に開催する必要があります。また、定時株主総会の会日より2週間前までに招集通知を発送しなければなりません。

3. 株主総会の議長

株主総会の議長は、通常、代表取締役がなります。

4. 取締役、監査役、執行役の員数

取締役、監査役、執行役の員数(人数)は、その会社の機関設計により決まります。

5. 取締役会の招集権者

取締役会の招集権者は、通常、代表取締役がなります。

6. 事業年度

株式会社の決算日を定めることにより事業年度を決定します。

7. 配当に関する事項

会社法上、普通株式以外に配当優先株式などの種類株式の発行が認められています。

8. 公告の方法

公告の方法には、1官報、2日刊新聞紙、3電子公告があります。会社法393条の規定により、定款に公告方法を官報と定めた場合、又は定款で定めていない場合には、官報公告となります。日刊新聞紙又は電子公告にする場合には、定款に記載しなければなりません。

 

 

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定款の認証

定款は公証人の認証を受けることにより法的効力を有します。発起人は原則として定款の認証に立ち会う必要があります。公証人役場に次の書類等を持参します。

1. 定款3通

1通に4万円の収入印紙を貼り、3通全部公証人に提出します。収入印紙を貼った定款は公証人役場に保管され、残る2通のうち1通は法務局に提出する定款の謄本となり、もう1通は原始定款として会社に保管します。

2. 発起人全員の印鑑証明書 各1通

発起人全員の印鑑証明書を公証人役場に提出します。法人が発起人となっている場合には、法務局が発行した登記事項証明書とその法人の印鑑証明書を提出します。

3. 発起人の実印

 

4. 定款認証に係る費用

上記の収入印紙4万円の他に認証手数料として5万円を支払います。また、謄本交付手数料として謄本一通につき250円を支払います。

5. 定款を変更する場合

公証人役場における定款認証は会社設立時のみです。この原始定款の記載内容を変更する場合には、公証人役場での認証は必要ありません。商号等の変更の場合を除き、税務署及び法務局への届出も不要です。ただし、定款変更の株主総会議事録及び変更後の定款をあわせて保管し、変更内容の履歴が明確に分かるようにしておくと良いでしょう。

 

 

法務局での登記申請等

1. 登記申請

株式会社を設立時の登録免許税は資本金の1000分の7と規定されています。ただし、その金額が15万円未満の場合は15万円を納付しなければなりません。定款の作成及び登記申請等は司法書士の専門分野となります。

2. 会社の実印の登録

登記申請と同時に、会社の代表印の印鑑届出書を法務局に提出します。法務局に登録した印鑑が、設立後は会社の実印としての法的効力を有します。

3. 出資金の払込証明

資本金の払込後、以前は金融機関に払込金保管証明書を発行してもらう必要がありましたが、現在は発起設立に限り払込金保管証明書の添付が不要になり、「払い込みがあったことを証する書面」を作成し法務局に提出すればよいことになっています。
「払い込みがあったことを証する書面」は、表紙部分に資本金が払い込まれた通帳の表紙及びその裏面並びに払い込まれた頁のコピーを添付すれば十分です。この書面に法務局に届け出る予定の会社の実印を押印します。

 

 

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管轄税務署への各種届出書の提出

1. 原則

(1)法人設立届出書
(2)給与支払事務所等の開設届出書
(3)青色申告の承認申請書の届出書
(4)減価償却資産の償却方法の届出書
(5)棚卸資産の評価方法の届出書

2. 必要ある時に

(1)源泉所得税の納期の特例の申請書
(2)有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書
(3)消費税課税事業者選択届出書
(4)消費税の新設法人に該当する旨の届出書
(5)個人事業の開廃業等届出書
(6)所得税の青色申告の取りやめ届出書
(7)給与支払事務所等の廃止届出書
(8)消費税の事業廃止届出書

 

 

県税事務所への届出書の提出

法人設立・事務所等設置報告書(愛知県の場合)

 

市町村役場への届出書の提出

法人の設立事務所事業所新設廃止申告書(名古屋市の場合)

 

 

日本年金機構の管轄事務所への各種届出書の提出

(1)健康保険厚生年金保険新規適用届
(2)健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届
(3)健康保険被扶養者(異動)届

 

 

労働基準監督署への各種届出書の提出

(1)適用事業報告書
(2)労働保険関係成立届
(3)労働保険概算保険料申告書
(4)就業規則届(従業員が常時10人未満の場合のみ提出の必要はありません。)

 

 

公共職業安定所(ハローワーク)への各種届出書の提出

(1)雇用保険適用事業所設置届
(2)雇用保険被保険者資格取得届

 

 

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